低用量ピルと鎮痛剤の併用は、基本的に問題ありません。
併用禁忌の組み合わせはありませんが、種類によっては薬の効果が強まったり、弱まったりする可能性があるため覚えておくとよいでしょう。
今回の記事では、低用量ピルと鎮痛剤の服用、併用に注意が必要な組み合わせについて紹介します。
また、鎮痛剤が使えないときに役立つビタミンと詳しい効果についてもあわせて解説します。
生理痛がひどく低用量ピルと鎮痛剤を併用したい方、食事から生理痛を軽減させたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
【一覧表】ピルと鎮痛剤(イブやロキソニン等)の併用は基本的に問題ない
下記表のとおり、低用量ピルと市販の鎮痛剤は、基本的に併用できるようになっています。
イブ | ロキソニン | カロナール | ボルタレン | アスピリン | |
---|---|---|---|---|---|
トリキュラー | 〇 | 〇 | △ | 〇 | 〇 |
アンジュ | 〇 | 〇 | △ | 〇 | 〇 |
マーベロン | 〇 | 〇 | △ | 〇 | 〇 |
ヤーズ | △ | △ | △ | △ | △ |
ルナベル | 〇 | 〇 | △ | 〇 | 〇 |
ジェミーナ | 〇 | 〇 | △ | 〇 | 〇 |
大体の組み合わせは問題ないのですが、カロナール(アセトアミノフェン)との併用には注意が必要な事が多いです。
詳しくは次の項目で解説いたします。
アセトアミノフェンとの併用には注意が必要
鎮痛薬に用いられる成分のうち、アセトアミノフェン(カロナール)はピルとの併用に注意が必要です。
低用量ピルとアセトアミノフェンを併用すると、ピルの効果が強まる恐れがあります。
一方でアセトアミノフェンの効果が弱まり、痛み止めの効果が減少する可能性もあります。
カロナールをはじめとするアセトアミノフェン系の鎮痛薬と低用量ピルを併用する際は、効果の強さが変化する可能性があることを覚えておきましょう。
鎮痛剤の常飲は副作用が強く出るため注意が必要
頭痛や生理痛を抑えるため、鎮痛薬の常飲を続けると副作用のリスクが高くなります。
特に、鎮痛剤によく見られる下記3つの副作用が現れる可能性があります。
- 頭痛
- 胃腸障害
- 腎障害
鎮痛薬の多くは、痛みの原因物質「プロスタグランジン」を減らす事で痛みを軽減します。
一方でプロスタグランジンには胃の粘膜を保護する役割や、血管を拡張する役割を担っています。
そのため、プロスタグランジンの働きが低下すると、胃の粘膜が荒れて胃腸障害が起こったり、血管が収縮したり血流が低下したりして、頭痛や腎障害を引き起こしたりする可能性があります。
鎮痛薬をはじめとする医薬品は、用量や用法を守って正しく服用しましょう。
毎日の服用は避け、多くても月に10日までの服用にとどめましょう。
【鎮痛剤が使えない時】生理痛の軽減に役立つビタミン
体質やアレルギーのため、鎮痛剤が使えないことがあります。また、鎮痛剤の使用頻度を抑えたい方もいるでしょう。
鎮痛剤が使えず毎月の生理痛が辛い方は、ビタミンの摂取が生理痛の軽減に役立ちます。特に効果的なビタミンは、次のとおりです。
- ビタミンE
- ビタミンD
- ビタミンB12
それぞれのビタミンの効果や多く含まれる食材について、詳しく紹介します。
ビタミンE
ビタミンEの働きは、主に次のとおりです。
- 体内の脂肪酸化を抑制する
- 血液の流れをよくする
- ホルモンや神経を調節する
ビタミンEは体内の脂肪酸化を防ぎ、弾力のある血管を維持して動脈硬化を予防します。
健康な血管は血液の流れもスムーズなため、血行促進に効果的です。
また、ホルモンを一定に保つ役割もあり、糖尿病の予防や生理の安定などに効果的です。
■ビタミンEが豊富な食べ物
- アーモンドなどのナッツ類
- 植物油
- ウナギ
- カボチャ
ビタミンD
ビタミンDの働きは、主に次のとおりです。
- 子宮内膜でのプロスタグランジン産生を抑制する
- 健康な骨を維持する
- 免疫機能を調整する
ビタミンDは、痛みのもととなる子宮内膜でのプロスタグランジンの産生を抑える働きがあります。
ビタミンDを適量摂取すると、子宮の収縮による痛みが起こりにくくなり、生理痛の軽減に効果的です。
また、カルシウムの吸収を促進して健康な骨を維持したり、体内に侵入したウイルスや細菌に対して免疫機能を促進したりする働きもあります。
■ビタミンDが豊富な食べ物
- イワシ
- カツオ
- 鮭
- 卵黄
ビタミンB12
ビタミンB12の主な働きは、次のとおりです。
- 代謝を高める
- 体内組織の機能や発達を維持する
- 炎症の抑制と痛みの緩和
ビタミンB12はアミノ酸や核酸などの代謝に関わるほか、血液を作る働きがあります。正常な赤血球や血液細胞を産生し、体内組織を維持します。
また、プロスタグランジンの生成に関わるシクロオキシゲナーゼの合成を阻害し、炎症を抑えたり痛みを緩和したりする働きも担っています。
■ビタミンB12が豊富な食べ物
- レバー
- アサリ
- シジミ
鎮痛剤とピルの併用は基本大丈夫なので、上手に使おう
低用量ピルと鎮痛剤は、併用しても問題ありません。組み合わせ次第では効果が出にくくなったり、強まったりすることもあるため、体調に変化が現れた際は併用を中止しましょう。
鎮痛薬は高頻度で使用すると効果が薄まったり、副作用が現れたりすることがあります。用量や用法を守り、正しく使用してください。
鎮痛薬を使用できない場合は、バランスのよい食事でまんべんなく栄養素を摂取しましょう。とくにビタミンには生理痛の緩和に期待できる種類もあるため、積極的に摂取してください。
この記事の参考サイト
ビタミンEと生理の関係
生理痛の強さと生活習慣との関連が明らかに
プロスタグランジンとはどんな関係? – 痛みとブラジキニン
トリキュラー21錠/28錠 添付文書
アンジュ21錠/28錠 添付文書
マーベロン21錠/28錠 添付文書
ヤーズ配合錠 添付文書
ルナベル 添付文書
ジェミーナ 添付文書