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減量薬オゼンピック、薬物とアルコールの乱用を抑制する可能性が判明

減量薬オゼンピック、薬物とアルコールの乱用を抑制する可能性が判明

GLP-1受容体作動薬として知られるオゼンピック(一般名:セマグルチド)が、糖尿病や減量治療だけでなく、薬物やアルコールの乱用を抑える可能性があることが新たな研究で示されました。

研究によると、オゼンピックを服用した患者は、薬物の過剰摂取やアルコールの過剰摂取のリスクが最大50%低下しました。

この結果は、GLP-1薬が薬物使用障害の新たな治療選択肢となる可能性を示しており、今後の研究が期待されています。

オゼンピックが薬物・アルコール乱用を抑える新たな可能性

新たな研究によると、ノボ ノルディスク社の糖尿病・減量治療薬「オゼンピック」などのGLP-1受容体作動薬は、薬物やアルコールの乱用を最大50%削減できる可能性があることが示されました。
この結果は、糖尿病や減量以外の健康上のメリットを示唆するものであり、GLP-1薬の新たな治療分野への応用に期待が高まっています。

GLP-1薬とは

GLP-1(ジーエルピーワン)受容体作動薬は、血糖値を下げる効果のある医薬品です。
インスリン分泌を増加させたり、食欲を抑える効果などが認められています。

オゼンピックがもたらす薬物乱用抑制効果

科学誌「アディクション」に発表された研究によると、オピオイド使用障害の病歴を持つ約50万人を分析したところ、オゼンピックやイーライリリー社のマウンジャロ(GIP/GLP-1作動薬)を服用していた8,000人の患者は、服用していなかった患者と比較して、オピオイドの過剰摂取率が40%低かったことが判明しました。

オピオイドとは

モルヒネのような作用を示す物質の総称です。
正当な医学的目的が無いにも関わらず、オピオイドの使用を止められない障害をオピオイド使用障害と言います。

さらに、アルコール使用障害の既往歴を持つ5,600人以上の患者を分析した結果、薬物を服用したグループは、服用していなかったグループに比べて酩酊状態になる割合が50%低かったという結果が得られました。

オゼンピックが依存行動を抑制するメカニズム

脳内には、「報酬系(報酬回路)」と呼ばれる領域があり、食事・飲酒・薬物などの刺激を受けると、ドーパミンという神経伝達物質が放出され、快楽を感じます。

依存性のある物質(アルコール・ニコチン・オピオイドなど)を摂取すると、報酬系が過剰に活性化し、依存を引き起こします。

GLP-1受容体作動薬には、この報酬系を調整し、過剰なドーパミン放出を抑える働きがあるため、依存行動の抑制に繋がっていると推測されています。

薬物使用治療への新たな可能性

研究を主導したファレス・キーダン博士らは、「私たちの研究は、薬物使用障害の新しい治療アプローチの可能性を示している」と述べています。
シカゴのロヨラ大学の研究チームも、この研究がオピオイドやアルコール使用障害に対する包括的な治療戦略の開発につながる可能性があると指摘しています。

GLP-1作動薬が、従来のアルコールや薬物依存治療では十分な効果が得られなかった患者の新たな選択肢となる可能性があります。

この記事の参考サイト

Weight-Loss Drugs Cut Drug and Alcohol Abuse, According to New Study:wsj
オピオイド