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イーライリリー、クローン病治療薬「オンボー」でFDA承認を取得

イーライリリー、クローン病治療薬「オンボー」でFDA承認を取得

イーライリリー社は、クローン病の治療に新たな選択肢を提供する「オンボー」のFDA承認を取得しました。
クローン病は、消化管に炎症を引き起こし、慢性的な腹痛や下痢などの症状を伴う疾患です。

今回はオンボーについて詳しく解説します。

炎症性腸疾患治療薬「オンボー」がクローン病治療薬として追加承認された

2025年1月、イーライリリー社の炎症性腸疾患治療薬「オンボー」が、中等度から重度の活動性クローン病の治療薬として米国食品医薬品局(FDA)の追加承認を取得しました。

クローン病はどんな病気?

クローン病は、消化管に慢性的な炎症を引き起こす炎症性腸疾患(IBD)の一種です。
主に小腸や大腸に影響を及ぼしますが、口から肛門までの消化管のあらゆる部位に発症する可能性があります。

典型的な症状として

  • 腹痛
  • 下痢
  • 体重減少
  • 倦怠感

などが挙げられます。

現在のところ根治療法はなく、症状の管理と寛解維持が治療の主な目的となります。

オンボーはどんな医薬品なのか

オンボーは、イーライリリー社が開発した炎症性腸疾患(IBD)向けの治療薬です。
有効成分「ミリキズマブ」を含有する注射薬です。

2023年10月に成人の潰瘍性大腸炎の治療薬としても承認されており、現在、米国で2種類の炎症性腸疾患に対応しています。

オンボーの効果・薬理

オンボーは、インターロイキン-23(IL-23)という炎症を引き起こすタンパク質を標的にするモノクローナル抗体です。
IL-23は、免疫系の過剰反応を引き起こし、腸の炎症を悪化させる要因の一つです。

オンボーはIL-23の働きを阻害することで、腸の炎症を抑え、症状を改善すると考えられています。

クローン病治療における臨床試験結果

オンボーの臨床試験では、約600名以上の中等度から重度のクローン病患者が参加しました。

オンボー投与群の53%が症状の大幅な改善を達成しました。
また、オンボー投与群の46%に腸の治癒が確認されました。

軽度~中度の副作用(頭痛や疲労感、上気道感染症)が確認されましたが、重大な副作用は少ないと報告されています。

今後の展開:世界市場への申請

同社は米国での承認に続き、欧州連合(EU)や日本を含む世界各国でクローン病治療薬「オンボー」の販売申請を提出していると発表しました。

オンボーは、クローン病治療において新たな選択肢となることが期待されています。
今後の国際市場での展開にも注目が集まります。

この記事の参考サイト

Eli Lilly Receives FDA Approval for Crohn’s Disease Treatment:wsj
クローン病(指定難病96):難病情報センター
医療用医薬品 : オンボー