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FDAが非オピオイド鎮痛薬「Journavx(スゼトリギン)」を承認

FDAが非オピオイド鎮痛薬「Journavx(スゼトリギン)」を承認

近年、オピオイド鎮痛剤の依存問題が深刻化する中、非オピオイド鎮痛薬の開発が進んでいます。

バーテックス・ファーマシューティカルズが開発した「Journavx(スゼトリギン)」は、中等度から重度の急性疼痛を抱える患者向けの新しい選択肢として、米国食品医薬品局(FDA)の承認を受けました。
本記事では、スゼトリギンの効果や薬理、従来のオピオイド鎮痛剤との違いについて詳しく解説します。

Journavx(スゼトリギン)とは?

Journavx(スゼトリギン)、非オピオイド鎮痛薬として開発された錠剤タイプの経口薬です。
主に中等度から重度の急性疼痛を抱える成人患者に対する治療薬として、米国食品医薬品局(FDA)の承認を受けました。

スゼトリギンの効果・効能

有効成分スゼトリギンが、術後疼痛や外傷による痛み、急性の炎症性疼痛に対して迅速かつ持続的な鎮痛効果を示します。

オピオイド系薬剤と異なり、依存性や呼吸抑制のリスクがほとんどないため、特に依存症のリスクが高い患者や、呼吸機能が低下している患者にも安全に使用することができます。

スゼトリギンの薬理

スゼトリギンは、選択的ナトリウムチャネル遮断薬として作用し、神経の過剰な興奮を抑制することで疼痛信号の伝達を効果的にブロックします。
このメカニズムにより、特に神経障害性疼痛や炎症性疼痛の緩和に優れた効果を発揮します。
また、オピオイド受容体には影響を与えないため、依存性や呼吸抑制の副作用がない点が特徴です。

非オピオイド鎮痛薬の必要性

従来、急性疼痛の治療にはオピオイド系鎮痛薬が使用されることが一般的でしたが、オピオイド系鎮痛薬は依存性や副作用のリスクが高いことが問題視されていました。
Journavxは、こうしたリスクを回避する新たな選択肢として注目されています。

オピオイド鎮痛剤のデメリット

オピオイド鎮痛剤のデメリットとして、依存性のリスクが挙げられます。
長期使用により、身体的および精神的な依存が生じる可能性があり、患者の生活の質を低下させることがあります。

また、便秘、吐き気、眠気、呼吸抑制などの副作用も報告されており、特に高齢者や基礎疾患を持つ患者には注意が必要です。
さらに、用量を誤ると致命的な呼吸抑制や意識障害を引き起こす危険性があり、医療目的以外での乱用や不正流通の問題も社会的な課題となっています。

オピオイド鎮痛剤と非オピオイド鎮痛剤の使用対象

オピオイド鎮痛剤が使用される患者:がん性疼痛、手術後の強い痛み、慢性疼痛で他の治療法が効果を示さない場合など、強い鎮痛効果が必要な患者に使用されます。
非オピオイド鎮痛剤(例: スゼトリギン)が使用される患者:中等度から重度の急性疼痛、依存症リスクの高い患者、呼吸機能が低下している患者、オピオイドの副作用を避けたい患者などに適しています。

価格について

Journavxの価格は、50mgの錠剤1錠あたり15.50ドルに設定されています。
患者の経済的負担を軽減するため、保険適用のほか、支援プログラムも提供される予定です。

バーテックス・ファーマシューティカルズは、Journavxが「国内の非オピオイド依存症防止法」に基づき、メディケア追加支払いの対象となる治療薬のリストに含まれることを見込んでいます。
また、資格のある患者が負担を軽減して薬にアクセスできる支援プログラムも提供予定です。

Journavxの今後の展望

今回のFDA承認により、Journavxは急性疼痛治療の新たなスタンダードとなる可能性があります。
オピオイド危機が深刻化する中で、安全かつ効果的な痛みの管理方法を提供することで、医療現場に大きな貢献が期待されています。

この記事の参考サイト

Vertex Pharmaceuticals Shares Gain After FDA Approves Non-Opioid Pain Drug:wsj
オピオイド