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オゼンピックが腎臓病治療薬としてFDA の承認を取得

オゼンピックが腎臓病治療薬としてFDA の承認を取得

ノボ ノルディスクの糖尿病治療薬「オゼンピック(セマグルチド)」が、新たに腎臓病治療薬としてFDA(米食品医薬品局)の承認を取得しました。
これにより、2型糖尿病および慢性腎臓病を持つ患者に対する治療選択肢が広がります。

臨床試験では腎機能低下の進行を24%抑制し、腎不全のリスクを18%低減する効果が確認されており、今後の治療への期待が高まっています。
本記事では、オゼンピックの新たな適応拡大の詳細や治療のメカニズム、類似薬との比較について解説します。

オゼンピックの新たな適応拡大

2025年1月28日、米食品医薬品局(FDA)がノボノルディスク社の糖尿病治療薬「オゼンピック(セマグルチド)」を腎臓病治療薬として追加承認しました。

この適応拡大により、オゼンピックは2型糖尿病および慢性腎臓病を持つ成人患者に対し、腎臓病の進行を抑えたり、腎不全リスクを軽減する目的で使用できるようになりました。

オゼンピックの効果

オゼンピック(セマグルチド)はGLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)受容体作動薬であり、以下のような作用を持ちます。

  • 血糖値の調整: インスリン分泌を30%増加させ、食後血糖値のピークを約20%抑制
  • 炎症抑制: CRP(C反応性タンパク)の値を約15%低下させ、腎臓の慢性的な炎症を軽減。
  • 体重管理: 12週間の投与後、平均で4.2kgの体重減少を記録。BMIが30以上の患者に対して特に効果が高いことが示された。

オゼンピックの臨床試験結果

2024年に実施された大規模臨床試験では、オゼンピックが糖尿病患者の腎臓病関連症状のリスクを24%削減することが示されました。

試験では以下のデータが得られています。

項目 結果
被験者数 約5000人の2型糖尿病および慢性腎臓病患者
試験期間 3年間
腎機能低下の進行抑制 24%
腎不全への進行リスク低減 18%
心血管イベントリスク低減 22%
eGFR(推算糸球体濾過率)改善 約30%の患者で確認

この結果を受け、欧州医薬品庁(EMA)もオゼンピックの適応拡大を支持しています。

他の類似薬との比較

現在、2型糖尿病および慢性腎臓病治療に用いられる主なGLP-1受容体作動薬には以下のようなものがあります。

薬剤名 特徴 効果
トルゼパチド GLP-1とGIPの二重作動薬であり、血糖管理および体重減少に優れた効果を示す。 HbA1cを1.8%低下
リラグルチド 血糖値の改善に加え、心血管イベントリスクの低減が期待される。 心血管イベントリスクを14%低減
ドゥラグルチド 週1回の投与で、血糖値管理と心血管リスク低減に効果を持つ。 心血管リスクを12%低減

オゼンピックは、腎臓病に対する直接的な適応拡大が認められた点で、これらの薬剤とは異なる位置づけとなります。

今後の展望

オゼンピックの適応拡大により、糖尿病患者の腎臓病管理がさらに改善されることが期待されます。
今後、さらなる臨床試験や実臨床データの蓄積を通じて、治療の有効性や安全性の確認が進められるでしょう。

この記事の参考サイト

Novo Nordisk’s Ozempic Gets FDA Approval as Kidney-Disease Treatment:wsj
慢性腎臓病:腎臓内科 東京女子医科大学病院腎臓病総合医療センター